休眠会社を購入して会社を設立するのはお得なの?

国内に以外と多くの休眠会社が存在しています。
「休眠会社」とは、普通に生活していると、あまり馴染みのない言葉ですが、事業を営む上では知っておきたい言葉です。

休眠会社にすることや休眠会社を購入して開業を目指すことはメリット、デメリットがありますので、ご紹介していきます。

1.休眠会社とは?

休眠会社とは、その名のとおり、事業活動をしていない会社ですが、株式会社のうち、最後に登記が行われた日から起算して12年間なにも登記されない会社のことを休眠会社といいます。
法律上、呼び名が「休眠」となっていますが、「休業」と一般的には同じ意味です。
休眠会社は9万社近くあるとも言われています。

会社法では、休眠会社に対して登記所に事業をしていない旨の届け出をすべきとの公告をしたにも関わらず、休眠会社が2カ月以内に必要な届け出も登記もしなかった場合、その会社は解散したものとみなされます(休眠会社のみなし解散といいます)。
毎年、この休眠会社の整理は行われていて、平成29年の整理で解散したものとみなされた株式会社は約18,000社もあります。

そもそも休眠会社が存在するのはなぜでしょう。
会社を解散・清算するためには、それなりに費用や手間がかかってしまいます。
また将来、事業を再開する可能性があるのであれば、いったん、会社を解散し、再度会社設立というのでは、あまりにも煩雑になります。
休眠の場合は、会社自体はありますから、再開させることが可能です。

それに、取引先等の第三者との債権・債務が残って居ない状態で休業する場合には、正式に清算手続きをする必要性を感じにくいです。

2.休眠会社に必要な手続き

会社を休眠させるために必要な手続きは大きく2種類あります。

①税務署

・異動届出書
法人の代表者や事業年度など、一般的な事項の変更を届出する際の用紙で、異動事項に休眠すること、異動後の欄にいつから休眠するか等を記載します。
・給与支払事務所等の廃止届出書
休業の欄にチェックして、参考事項にいつから休眠するか記載します。

②道府県税事務所、市町村

手続きは地域により異なりますが。異動届にいつから休眠することを記載して提出します。

3.休眠会社にするメリット

(1)会社を存続したままにできる

体調不良などで、一時的に事業を営めない場合、会社の再開を前提として、休眠会社とします。
もし、廃業してしまったら、会社の法人格が消滅しますから、会社の立ち上げを再度行う必要があります。

(2)廃業資金がかからない

メリットの2つ目としては、廃業資金がかからないということです。

廃業する際に歯、解散登記やその他、手続きで約10万円前後かかります。

それに、賃貸物件の原状回復や、什器備品の処分等、合計すると100万円から1,000万かかります。

会社を廃業させるには、結構、お金がかかることが分かります。

それに比べて休眠の場合は書類を提出するだけです。

そのため、廃業資金が無い場合も休眠が使われていることが多いようです。

一時的に事業を休むのであれば休眠を選ぶ方が良いです。

(3)事業を再開させるときの手間がかからない

事業を再開する場合、休眠会社であれば、必要な書類を提出することで可能です。
それは異動届出書、役員変更登記、会社継続登記といったものです。

もし、いったん廃業していたとしたら、再び会社設立をすることになります。
開業に関する各種手続きをする必要があります。
そこには、大きな資金の確保も必要ですし、会社を再開させるなら休眠会社からの方が簡単にできます。

4.休眠会社にするデメリット

(1)納税義務がある

休眠ということは、会社自体は存続しています。そのため、法人税や法人住民税が課税されます。
一般的に、休眠会社は所得がありません。そのため、法人税はかかりません。
しかし、賃貸収入があったりと、所得がある場合には、法人税の支払いが必要となります。
法人住民税は、自治体により異なるところはあるのですが、法人住民税の均等割を納税する義務があります。

税金を滞納すると追加で税金もかかりますから、無視はできません。

(2)確定申告が必要

事業を行っていなくても、青色申告を続けていなければ、青色申告を取り消されます。
会社を再開する際に、白色申告となり、控除が受けられなくなります。
青色申告による節税や特典を無くさないようにするため、休眠中も青色申告を続けておきます。

(3)定期的に必要な手続きがある

会社の役員には任期がありますから、休眠中に任期を過ぎてしまうケースが多くなっています。
役員変更登記は、任期終了から2週間以内に行わなければなりません。
同じ人が引き続き役員になる場合も、登記が必要ですので注意が必要です。
もし、この変更登記を期限内に行っていなかったら、代表者に対して100万円以下の過料が科せられます
登記手続きを忘れないように行う必要があります。

冒頭にも紹介しましたが、みなし解散の場合、解散登記を登記官が行います。
そうすると、その手続きから3年以内に事業を廃止していない旨の届出をしなければ、解散前の事業を続けることができなくなります。

5.休眠会社を購入するのはアリ?

休眠会社を購入して起業する方法が紹介された書籍等もありますので、その方法もいいなと思った方もいるのではないでしょうか。
もちろん、メリットもありますが、デメリットもあります。

まず、休眠会社を購入するメリットですが、その休眠会社が持っていた資産、信頼、許認可等を引き継ぐことができます。
その休眠会社がこれまで築いてきた社歴をそのまま引き継ぐということは、新しく設立された会社よりも有利になります。

また、会社設立の際には、資本金が必要ですが、資本金の情報も引き継ぐことができます。
その上、法人の当座預金口座も引き継ぐことができます。
新規で法人口座を持つことも審査を通らないことも多く、この点も魅力的です。
その上、休眠会社が持っていた許認可が必要となる事業もありますが、この許認可も合わせて購入することができます。
許認可を得るためには、かなりの手間がかかりますので、すぐ事業を開始できますから、大きなメリットです。

それではデメリットはどういったものがあるでしょうか。
会社のプラスの資産ばかりでなく、負の資産を引き継いでしまう可能性があることです。
しっかりと調査をしないと、その会社がブラックリストに載っている可能性もあります。
休眠している理由が、借金の返済ができないということである可能性もあります。
貸借対照表に記載されていない簿外債務や税金の未納がある場合にはその債務をそのまま引き継ぐことになってしまいます。
そのようなことになれば、金融機関から融資を受けることも難しくなりますから、この先、事業を継続することが困難になります。

また、先ほど、休眠中に確定申告を続けなければならないことを紹介しましたが、購入しようとした休眠会社が継続して確定申告していなければ、青色申告が取り消されてしまいます。

まとめ

会社を設立する際、休眠会社を購入すれば、事業をすぐに始められるので、一見有利です。
それは、休眠会社がどういった理由で休眠しているかにもよります。
事業を続けられなくなっている理由を見極められればいいのですが、大きなリスクとなる可能性があります。
休眠会社を購入することは、あまりおすすめできません。

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