従業員の食事代を福利厚生費として会社の経費にしてもいい?

優秀な人材を確保するため、そして社員により意欲をもって働いてもらうため、欠かせないもののひとつが福利厚生です。
会社ごと特色のある福利厚生メニューがあります。
そのため、他社と差別化をしたいとか、より社員の満足を得られるものにしたいと考えている経営者の方も多いと思います。
従業員に福利厚生の一環として食事を支給するというのはどうでしょうか。
できるとしたら、その注意すべきポイントや、会社の経費として、どう会計上どう処理したらいいのかを説明していきます。

1.従業員への食事代は、どういった扱いになる?

福利厚生という目的だけでなく、従業員に食事を提供する場面は、あると思います。
その場合に負担した食事代は、「福利厚生費」でしょうか。
「福利厚生費」にあたる場合もありますが、実は「給与」と判断されるケースもあります。

まず「福利厚生費」の定義をみていきましょう。
福利厚生費とは、従業員の生活向上や、労働環境改善を目的にした支出のことで、社会通念上妥当と認められる金額とされています。
一般的には、住宅手当、通勤費、社員旅行、結婚祝い金等の慶弔見舞金があります。
その他にも結構幅広くあります。
例えば、忘年会や歓送迎会の費用、健康管理のためのジムの利用です。

この「社会通念上妥当」というのが、ちょっと難しいですね。
そのため、福利厚生費にあたるのかどうかというのは、たびたび議論になります。

また、この福利厚生費の基本四件として、「機会の平等性」があります。
原則として、全社員が平等に受け取る機会がないといけません。
一部の社員だけを対象としたものは福利厚生費とすることはできません。
その上、費用ごとに細かな要件があります。
今回は、そのうちの食事代についてみていきます。

2.従業員への食事代が給与となる場合とは?

勤務時間中の食事代は、原則「給与」で処理されます。
ただし、例外として、福利厚生費として処理してもよい場合があります。
国税庁のタックスアンサーには、以下のように説明されています。

「役員や使用人に支給する食事は、次の二つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。

(1) 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2) 次の金額が1か月当たり3,500円(消費税及び地方消費税の額を除きます。)以下であること。
 (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額) 」
  引用:国税庁WEBサイト タックスアンサー No.2594 食事を支給したとき

例外的に、食事代が福利厚生費にできるものもあります。
現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食を提供できないために1食当たり300円(消費税及び地方消費税の額を除きます。)以下の金額を除き、補助をする全額が給与となります。
また、休日勤務、残業、宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与とならないことになっています。

また注意しないといけないのが、食事の価格の定義です。
同じく国税庁のタックスアンサーにその定義があります。

「①弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
 ②社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、
  食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額  」
 
引用:国税庁WEBサイト タックスアンサー No.2594 食事を支給したとき

3.食事代が福利厚生費となる場合とは

それでは、福利厚生費となるのは、どのような場合なのでしょうか。
先ほどのタックスアンサーにある2つの要件を両方とも満たしている場合になります。
つまり、①従業員が半分以上負担していて、②その負担している金額が1カ月あたり3500円以下であることとなります。

1カ月当たり20日として、みてみます。
例① 昼食1食380円のお弁当を支給
本人が220円を負担し、会社が160円を負担したとします。
本人の負担が半額以上ですし、会社の負担が1カ月で3,200円ですから、3,500円以下の基準を満たしているので、福利厚生費とすることができます。

この食事も、一部の従業員しか利用できない場合は、福利厚生費ではなく、給与になりますので、注意が必要です。

4.支給した食事代が給与になった場合の影響とは

このように、食事代を支給し、給与に該当する場合に、どのような影響があるのでしょうか。
まず、従業員にとっては、給与所得が増えると、所得税や住民税といった税金や社会保険料が増額になります。
それでは、会社にとってはどのような影響があるのでしょうか。
もともと、税金を計算する上で、福利厚生費は全額損金として取り扱われます。
利益を減少させる要因になるということなので、税金対策として、とても有効です。
もし、給与に当たる食事代を福利厚生費で処理していた場合、税務調査でそのことが判明すると、源泉徴収義務が発生します。
非常に大きな労力のかかる処理が必要となります。

少しでも良い人材を確保しようと、安易に福利厚生として食事の提供、食事代の支給をしようとしたとしても、慎重に計画しないと思わぬマイナスとなりそうです。

5.個人事業主の場合はどうなるの

参考までに、1人でやっている個人事業主は、福利厚生費を計上することができるのでしょうか。
福利厚生費は「従業員の福利向上のためのもの」が前提になっていますから、福利厚生費を計上することはできません。

まとめ

同じ食事代だとしても、その支給額や、支給タイミングによって福利厚生費となったり給与となったりします。
注意深く判断しないと、従業員と会社の両方に影響があることになります。
一つ一つ慎重に仕訳しないと、後々大変なことになります。
福利厚生費は、会社と従業員の両方に税金面でメリットがあります。
要件をしっかり確認して福利厚生の制度設計をしていきましょう。

株式会社アンチテーゼ

とにかく勝てる融資サポートをいたします。

  • 無料相談
  • 成功報酬型
  • 年間実績1000件以上
  • 事業計画書、収支計画書作成サポート

今すぐ無料で相談する!