日本政策金融公庫の融資、返済期間と据置期間の決め方は?
融資を受ける場合には、いくらお金が必要で、毎月どれぐらいなら返せるかということを考える必要があります。
日本政策金融公庫の場合は、さらに据置期間がありますから、融資を申し込む際には、一緒に考えておく必要があります。
それぞれ、どのように決めるのかを見ていきましょう。
目次
1.返済期間の決め方
創業時の融資では、返済期間を5年から10年とすることが一般的ですが、その限りでもありません。
返済期間を決めるには、毎月返済できそうな金額を計算し、融資金額から返済期間を何年にすればいいのかを計算して決めます。
例えば、500万円の融資の場合、毎月5万円の元金返済ができるのであれば、100回払いと決めることができます。
日本政策金融公庫の審査の際には、返済計画となる事業計画書がしっかり作り込まれていることが重視されます。
返済の原資となるのは、毎月の利益と減価償却費です。
大きな設備費用が発生しない場合は単純に利益が返済の元手になります。
だからといって利益を全て返済に充てることはできませんので注意が必要です。
利益から返済額を差し引きした金額で生活していけなければ、公庫の担当者は計画の信ぴょう性を疑われてしまします。
それに、利益が出ていれば、所得税や事業税を納めなければなりませんし、予想していなかった出費や、事業を拡大するための貯蓄も必要でしょう。
それらを見越して無理のない返済計画としていきます。
2.創業融資の融資期間は最長何年?
日本政策金融公庫の創業融資の場合、融資期間は次のとおりです。
運転資金:最長5~7年(据置期間1年以内)
設備資金:最長5~10年(据置期間2年以内)
もちろん、融資制度により、この期間は異なります。
融資制度により定められた期間内で返済期間と据置期間を決めることになります。
3.2回目の融資も検討している場合の返済期間は?
日本政策金融公庫は、有利な条件で融資を受けることができますから、返済期間は最長期間を選択することもできます。
ただ、2回目の融資を計画しているのであれば、返済期間は短くした方が理想的です。
1回目の融資の30%以上を返済していれば、追加融資を受けることが可能となっています。
ですから、5年返済であれば、1年半程度返済すれば、返済実績もできて、追加の融資を受けることができる可能性も高くなります。
追加融資も検討されているのであれば、追加融資を希望する時期に30%返済できているように返済期間を決めておくことが最低限必要になります。
4.据置期間の決め方
それでは、据置期間はどのように決めるが良いでしょうか。
据置期間を考えるポイントは2つあります。
まず1つ目は、入金がいつからはじまるか。
そして2つ目は、事業が軌道に乗るまでにどれぐらいかかるか。
業種や取引先により変わってきますので、ここをよく見極めます。
入金されるまでの期間より、支払の期間の方が短いことが多いですから、売上回収のタイミングに、数カ月分の余裕を見ておかなくては、資金繰りに行き詰まることとなります。
①入金サイクル
入金の時期を考える必要があるのは、売掛金が発生するような取引に多いです。
また、注文から納入までに数カ月とか時間のかかるサービス、例えば、建設業とか受注販売といった場合も、納入してからの入金ですし、先に材料等を仕入れてその支払が発生します。
商品やサービスを提供して、その場で現金決済されるのが100%であれば、入金がいつから始まるかということは、検討しなくても大丈夫です。
それ以外の支払方法の場合は、売掛金として支払われるまでに1カ月から長い場合6カ月後というケースも見たことがあります。
その支払方法は銀行振込、クレジットカード、電子決済、手形と、それぞれサイトが取引先、契約先によって異なりますので、注意が必要です。
できる限りこのサイトは、最初の契約で少しでも短くしておくことが大切です。
取引先との契約内容によって異なりますから、しっかり確認しておきましょう。
②事業の安定化
例えば、創業したばかりの会社の場合、安定した収益が見込まれるのが半年後になる見込みであれば、据置期間は半年とします。
また、売上が上がったとしても、支払サイトが長く、入金まで時間がかかるビジネスモデルの場合も、資金繰りが悪化しないように据置期間は半年程度にしておきます。
そもそも、据置期間というのは、元本の返済をその期間、遅らせるという仕組みです。
その期間は、利息のみ支払っていきます。
売上が安定し、キャッシュフローが落ち着くまで、この制度を使うことで、無理なく事業活動をすることができるメリットがあります。
ただ、あまり長くしすぎると、元本が減っていませんので、トータルの返済金額が多くなります。
まとめ
日本政策金融公庫の融資について、返済期間と据置期間の決め方を見てきました。
事業計画をしっかり組んで無理のない期間を定めてください。
何となくとか、平均がこうだからと安易に決めないようにします。
一つとして同じ条件で経営している企業はありませんから、ご自身の事業をしっかりと見極めて計画していきます。
事業計画書にもとづいて、無理がなく、根拠のある返済期間と据置期間としましょう。