従業員が休職した場合の社会保険はどうする?

従業員が病気やケガにより、仕事を休まざるを得なくなることもあります。
会社としては、事前にどのように対応するべきか、前もって決めておく必要があります。


この場合の休職とは、業務に関係なく発生した病気やケガについてです。
休職者が発生した場合の対応について、今回は社会保険と傷病手当について見ていきます。

1.休職について就業規則に明記する

業務に起因して発生した病気やケガは労災の対応になりますし、妊娠・出産や介護のように法律で定めてあれば、それに従って対応します。


業務に関係ない病気やケガについては、法律に定めがありません。
従って、就業規則で休職について定めておく必要があります。
就業規則を作成する際に、盛り込んでおきましょう。

ちなみに、就業規則の作成義務があるのは、常時10人以上の労働者を雇用する場合です。
10人もいないから関係ない、ではなく作成しておきましょう。


厚生労働省のWEBサイトに雛形も公開されていますので、従業員を雇うことになったら考えておいた方が良いです。

2.休職中の給料の支払いは?

休職中の給与についても、就業規則で企業ごとに定めることになります。
労働の対価としての給与ということから、休職中は給与の支給をしないと定めている会社も多いです。


そして、休職期間には上限を定めます。
この期間は、半年から1年としていること企業が多いです。

3.社会保険料の支払いはどうする?

従業員が休職中だとしても、社会保険料の支払いは発生します。
従業員の負担分は給料から天引きしていますが、休職中に給料の支払いがなければ、天引きもできません。


立て替えておくということもできますが、復帰できずに、そのまま退職というケースもあります。
そのため、社員負担分がある、社会保険や労働保険といったものの支払方法については、事前に決めておく必要があります。


従業員負担分を納得して負担してもらうためにも、その時々で判断するのではなく、決めておきましょう。

4.社会保険は免除にならない

休職中であっても社会保険については、免除になりません。
産休や育児休暇の場合は免除になりますが、休職の場合は免除にならないので、間違えないようにしましょう。


そして、社会保険料は休職中で給与支給がないとしても減額にはなりません。
もともと、社会保険料は毎年1回、4月から6月の月額給与をもとに算定されていますから、期間の途中では減額になりません。


雇用保険や所得税に関しては、支払う必要がないのですが、社会保険料はそのまま発生し続けます。

5.傷病手当金の受給の場合はどうなる?

休職中、給与が支給されない労働者の生活を守るための傷病手当金という制度があります。
最長1年6カ月、給与の約3分の2が支払われます。
従業員は、この制度のおかげで安心して療養することができます。


この傷病手当金の受取人を会社にすることもできますので、会社に振り込まれた傷病手当金から、従業員負担分の社会保険料等を控除して、休職者に振り込むということもできます。

6.傷病手当金を受給できる人とは?

傷病手当金は長期間、病気やケガなどによって就業できない場合に支給されます。
給料が支払われないとなると、治療を受け復職するために金銭的に援助があるので非常に助かる制度です。


傷病手当金は、仕事を休んでいれば誰でも受給できるというわけではなく、条件を満たす必要があります。

(1)健康保険組合の加入

まずは、健康保険組合・共済組合・協会けんぽのいずれかに加入していることです。
国民健康保険の場合は傷病手当金の受給対象になりません。
つまり、公務員か一般の企業に勤めている人が対象となります。

(2)業務外の病気やケガ

そして、次の条件が休職することになったのが業務外の病気やケガであることです。
業務に起因する病気やケガの場合は労災の対象になりますから、傷病手当金の受給対象にはなりません。


仕事以外の病気やケガの場合に受給することができます。

傷病手当金の受給申請には、医師の証明が必要となります。
就業できないと医師から診断されていることも必要な条件の一つです。

(3)休職期間

また、休んだ期間が全て対象ではなく、4日以上連続して修業できないことが条件となっています。


連続して休んだ4日目からが対象となります。それも、引き継ぎのためとか、途中出勤してしまうとリセットされ、その翌日からまたカウントを始めます。
連続してという、条件があることも重要です。
この最初の3日間が待機期間と呼ばれる期間となります。

(4)給与額

そして、最後の条件が、休職中に給与がない、もしくは傷病手当金より少額の場合に対象となります。
就業規則で無給とされていれば、対象になりますが、いくらか給与の支払いがある場合は、それが傷病手当金より少額でなければ受給対象となりません。

ですので、有給休暇を使って休んだ期間があれば、それは対象になりません。最初の1カ月、残っている有給休暇を使って、翌月から休職として無給となった場合には、その無給となってから対象となるということになります。


ただ、有給休暇であっても、出勤できていませんから、待機期間とカウントできますから、休職期間に入ったその日から傷病手当が支給される対象となります。

7.会社としてすべきことは?

傷病手当金を受給するために会社としては事前の準備が欠かせません。
対象の保険組合により若干、書式や手続きが異なりますから、一度確認しておきましょう。

(1)手順の明確化

まずは、社労士に相談するなどして、マニュアルを整備しておきます。
マニュアルを整備しておけば、いざというとき助かります。
育児休暇のように、事前に準備する期間があるものと異なり、休職は突然対象者が出るものです。


そのとき、当人はもっと大変ですから、会社としてしっかり備えておきましょう。
そういった手続きを担当している本人が対象となるとも限りませんから、詳しい人を作って安心するのではなく、会社としてマニュアル化しておきます。

従業員が病気やケガで休職することになれば、まず連絡があります。
その際には、どのくらいの期間、休むことになるのか、医師の診断は受けているのかを確認しておきます。

(2)申請手続き

加入している健康保険組合の窓口、もしくはWEBサイトから必要な書類を入手します。
申請書は、会社が記入するものと、本人が記入するものがありますので、しっかり整理して書類を整えます。


傷病手当金を申請したい期間が終了した後に医師が記入する欄がある書類がありますので、医師に記入してもらいます。
休職者本人が担当医にお願いするという流れになります。
ここで注意が必要なのが、申請する期間が終了してから医師に記入してもらうということです。


医師が書いた記入日が療養していることを証明する期間中であれば無効となってしまいます。
そのことはよく休職者にも伝えておきましょう。

この申請する期間というのは、休職が長期にわたる場合は、毎月申請することも可能です。


毎月書類を作成し、医師に証明をもらって、提出することで、毎月傷病手当金を受け取ることができます。
ですから、本人とよく相談し、どのタイミングで書類を作成して手続きをするか決めてください。

本人から受け取った書類に、会社側でも必要な項目を記入し、対象期間の出勤簿の写しと賃金台帳の写しを添付し、健康保険組合に提出します。
書類に不備がなければ、申請から1カ月程度で障害手当金を受け取ることができます。

まとめ

従業員が病気やケガで休職することになり、給与の支払いが発生しないとしても社会保険料はこれまでどおり、支払う必要があります。


社会保険に加入していれば、傷病手当金を受給することができます。
その時になって慌てて対応することがないように、事前に就業規則や手続きのマニュアル作成をしておきましょう。
その際、社労士に相談することをおすすめします。


休職者本人が安心して療養し、仕事に復帰できるように、このような制度を活用できることについて説明できるようにしておいてください。

株式会社アンチテーゼ

日本政策金融公庫でのサポート実績多数
他社の対応と比べてみてください

  • 無料相談
  • 成功報酬型
  • 年間実績1000件以上
  • 事業計画書、収支計画書作成サポート

今すぐ無料で相談してみる