社会保険制度って説明できますか?

社会保険について説明を求められて即答できる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。会社員の方であれば、毎月の給与から「社会保険料」が控除(差し引かれるという意味)されていますが、その実態や意味を正確に理解されている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

ご自身の給与から控除されているので関係ないとは思わずに、むしろ意味があって控除されているのでなぜ控除されているのか、それはどのような意味を持っているのか、把握しておきたいところです。

また、会社員でも人事部の方は当然スラスラ答えられることを求められますし、経営者の方であればなおのことです。

今回は知っているようで知らない社会保険制度について見ていきたいと思います。

1.ひとことに社会保険と言っても

社会保険制度とは、社会保障を実現するためのひとつの手段として設けられている制度です。

社会保障とは、個々人にかかる生活する上でのリスク(病気や怪我、障害、老化、死亡そして失業など)に対して貧困に陥ることを防ぎ、生活を安定させるための各種制度を総合的に指して呼びます。

それを実現するための1つの制度として設けられているのが、社会保険制度であり、これは各国で異なるのですが、日本では5つの保険制度があります。医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つです。

2.個々の社会保険制度を見ていきましょう

上記の通り、日本で社会保険制度と言ったらこの5つです。この5つを押さえていたらひとまずはよしです。

(1)医療保険とは

医療保険は説明するまでもなく、5つの中で一番皆様に使われているものなのではないでしょうか。

この記事を読まれているあなたも一度や二度は病気や怪我で病院に行かれたことがあるのではないでしょうか。

病院で診察を受けた時にお金をお支払すると思いますが、その時にかかった費用の全額は支払いません。

その場で病院に支払うお金は医療保険による保証を引いた金額(2019年9月現在、20~60代で働いている方は3割負担とされています)で良くなるわけです。

病院の窓口で毎月保険証の提示を求められると思いますが、これはどの保険制度を使っていて、保険料を支払っているのかを確認するために必要な作業なのです。

ですので、保険証を忘れてしまった場合、その場では全額の支払いを求められることもあると思います。

このような医療保険ですが、主だったものとして健康保険と国民健康保険の2つをご説明致します。

①健康保険

健康保険は会社に雇用されている方が加入する保険です。被用者保険とも呼ばれます。ひとことに健康保険、被用者保険と言っても加入する団体ごとに種類が分かれております。

よく聞く主だったものとしては、通称協会けんぽと呼ばれる全国健康保険協会管掌健康保、組合保険と呼ばれる組合管掌健康保険、共済組合の3つではないでしょうか。

協会けんぽと呼ばれているのは、健康保険組合を持たない企業の従業員で構成される協会が運営している保険、組合健保というのは企業や企業グループ、同種同業の企業で構成される健康保険組合が運営している保険。

共済組合は国家公務員、地方公務員などが構成する保険組合となります。

②国民健康保険

国民健康保険は自営業や会社を退職した方が加入する医療保険制度です。健康保険の運営主体は組合だったりしますが、国民健康保険の運営主体は市区町村の自治体となります。

(2)年金保険とは

ひとことに年金と言っても、公的年金と個人年金の2種類があることはご存知でしょうか。公的年金とはニュースでもよく聞く「国民年金」と「厚生年金」の2つを指します。

公的年金は条件を満たす全ての人が加入する義務がある一方で、個人年金とは各個人が自己判断で銀行や保険会社が提供する金融商品を購入するものとなります。ここでは公的年金について取り扱います。

①国民年金保険

「基礎年金」「1階部分」などと呼ばれることが多い、20歳から60歳未満の国民全員が加入することになっている年金制度です。国民年金保険は就労形態により3つの被保険者に分類され、どの分類かで保険料の納付の仕方が変わります。

被保険者は、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者と呼ばれます。会社にお勤めの方でご家族をお持ちの方は人事部から渡される書類で同様の記述を見られたことがあるかもしれません。

第1号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者・農業従事者とその家族、学生、フリーター、無職の方が加入する保険です。納付は納付書を使っての納付、口座振替など、被保険者が自分で納付する必要があります。

第2号被保険者とは、厚生年金保険の適用を受けている会社(これを事業所という呼び方をします)に勤務している方が被保険者の対象になります。納付は給与からの天引きになります。

第3号被保険者とは、第2号被保険者の配偶者が該当し、20歳以上60歳未満の方が対象となります。ただし、年間の収入が130万円以上で健康保険の扶養にならない方は第1号被保険者となります。

②厚生年金保険

厚生年金保険は、会社に雇用されている方や公務員の方が加入する年金保険です。

上記ご説明した国民年金保険の第2号被保険者が対象になります。ニュースでしばしば「1階部分の年金保険」「2階部分の年金保険」という言い方をされますが、国民年金保険が「1階部分」、厚生年金保険が「2階部分」に該当します。

国民年金保険と厚生年金保険は分けて説明されることが多いですが、実際には国民全員が国民年金保険に加入し、その上で会社勤めをしている方は厚生年金保険にも加入するという構造です。

(3)介護保険とは

介護保険とは、介護が必要な方に介護を受けるにあたって必要な費用を給付してくれる制度です。制度の運営は全国の市町村と東京23区にて実施されています。

(4)雇用保険とは

労働者が職を失って失業してしまった場合や、育児・介護などの理由で休業する場合に、手当を給付してくれる制度です。

(5)労災保険とは

労働者が就業中や通勤中に病気や怪我をしてしまった場合、あるいは命を落としてしまった場合に給付してくれる制度です。

国が運営主体となり、保険料の徴収は各都道府県の労働局が徴収しています。給付の種類は以下の通りです。

①療養給付(病気や怪我に対する給付)
②休業給付(病気や怪我で4日以上休んだ場合の給付)
③傷病年金(病気や怪我が1年半経っても治らない場合の補償)
④障害年金(病気や怪我で後遺症が残った場合の年金や一時金の支払い)
⑤遺族給付(遺族に対して支給される年金や一時金など)
⑥介護保障給付(傷病補償年金、障害補償年金の受給者で一定の要件を満たした要介護者への給付)

まとめ

今回は社会保険について見てきました。名前は頻繁に耳にするし、毎月の給与から天引きされているけれども、あらためて質問されると答えに窮してしまう。

そんな方が多かったのではないでしょうか。事業主の方は社員を雇用すると避けて通ることはできませんし、今会社員の方も年齢が上がったり、転職するとかかわる社会保険制度が変わったりしてきます。制度を把握し、抜け漏れなく対応しましょう。

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