ストーリー性のある飲食店の事業計画書作成のコツとは?

事業計画書とは、金融機関から事業に必要な資金の融資を受ける際に作成するものです。
金融機関の担当者に、この内容なら融資したいと思われるような事業計画書を作成するには、何かメソッドのようなものがあるのでしょうか。


それには、ストーリーがあるということが一つポイントとしてあります。
ここでは、飲食店の経営者向けの事業計画書のポイントについて見ていきます。

1.事業計画書の書式を入手する

はじめて融資を受けるのであれば、そもそも事業計画書を見る機会もありません。
日本政策金融公庫の事業計画書は、Webサイトからダウンロードすることができますので、まず入手してみましょう。


トップページに「各種書式ダウンロード」というのがありますから、そこの「国民生活事業」に進みます。
「借入申込書等」の19番のところに「事業計画書(中小企業経営力強化資金用)」とあります。


PDF、Word、Excelの3種類がダウンロードできるようになっています。
PDFを使って手書きで作成するよりも、WordかExcelで作成する方が、書き直しもできますからおすすめです。

この事業計画書は、左側に文章を、右側が数字を入力するような構成になっています。

2.項目1は、わかりやすく、具体的にする

日本政策金融公庫の事業計画書は、A3横の2枚物です。
この中に項目1から項目5がありますので、特に文章を書く必要のある箇所について淳にポイントを見ていきます。

(1)記載項目

項目1は、「現況、新商品の開発または新役務の内容、課題・重点取組項目、具体策」というタイトルになっています。

①現況
まず、現況については、創業時は創業する目的や動機を記載します。
創業後の場合は、創業計画書と同じ内容で大丈夫です。

②新商品の開発または新役務の内容
次に新商品の開発または新役務の内容ですが、新しいことを行う計画があるのであれば記載し、ない場合は業務内容を記載します。
新商品の開発とは、新しいメニューや、お持ち帰り用のメニューの企画になります。
新役務とは、お客様からお金を受け取って提供する新しいサービスのことです。

そもそも、この新商品や新役務について記入する欄があるのは、この様式を使用する融資制度の中小企業経営力強化資金では、新商品や新役務を作ることを前提としているためです。


飲食店の場合は、新メニューを提供するのは、普通にやっていることですから、比較的この欄は書きやすいです。

③課題・重点取組項目

自分の店が抱えている課題ですから、思いつくことは常にメモをしておきます。
集客できてない、人員配置がうまくいかない、食材のロスが多い等、いろいろとあるのではないでしょうか。


事業計画書の左側部分の「経営上の課題項目」に経営全般/売上・収益/人材・マネジメント/財務/その他とありますから、あてはまるところに「○」をつけていきます。

この課題項目を見るだけでも、経営者としてこういった項目を検討したり、うまくいっているか確認したりしないといけないという参考になります。
すでに営業しているのであれば、ここは課題項目となり、創業時には重点取組項目ということになります。

④具体策

お店の課題に対してそれを解決するためには、何が必要なのかを記入していきます。
一人で考えるのが難しい項目は、従業員も交えて話し合って、原因と対策を深掘ってこの欄に記入していきます。


集客に問題があるとしたら、お店を知ってもらうための広告、メディア、SNSの活用ができているだろうかといったことです。


食材のロスが多いのなら、メニューを工夫したり、保存ができるような加工済みの業務用食材がないか探したりといった方法がないかとアイデアを出していきます。

(2)「現況」の書き方のポイント

お店の特徴が伝わるように、どの場所で、何年、どのジャンルの飲食店を経営しているのかを記入します。
共同経営者がいる場合は、その方について記載します。

例) 港区六本木でパティシエの修行経験のある共同経営者と洋食店を開いて3年になります。

(3)「新商品の開発または新役務」の書き方のポイント

飲食店を開く動機がそのまま当てはまるのではないでしょうか。
自分の好きなメニューを提供するお店がこのエリアにはないとか、その土地の名産品を調理して提供している飲食店がないといった必然性や需要があること伝えます。

例えば、自分の出身地のご当地メニューを食べたくても、その地域ではそのメニューを提供しているところがないが、県人会の存在があったり、地元が出店しているアンテナショップがあるといった需要がないのに出店している人がいないということを説明します。


その他、食事の制限がある人に対して配慮したメニューがないから、一緒に外食できないといった、アレルギー除去や、塩分控えめといった、誰にとっても安心して美味しく食べてもらいたいということです。


こうした飲食店であれば、全ての人がターゲットになりますし、アレルギーや病気があり、食事を制限している人だけでなく、妊娠・授乳中の方も安心して食事できますし、お子さんも安心です。
そういった、差別化ができるようなポイントを印象づけます。

(4)「経営上の課題・重点取組項目」の部分のポイント

経営していて、その店の課題となるのは一つだけであることは、ないと思います。
逆にあまり「○」を多くつけすぎると問題だらけで、印象が悪くなる恐れがありますから、優先度の高い課題をそれぞれの分野から1項目か2項目、「○」をつけていきます。

(5)「具体策」の書き方のポイント

具体策の欄は、枠や罫線のないフリースペースになっています。
上記で「○」をつけた部分に対して、それぞれの分野で何をするのか記入していきます。

例えば、「売上・利益」のところに「○」がついているのでれば、そこに対して、利益率が業界標準に達していないので原価の見直しをするとか、新メニューの決め方を今までと変えて地元特産品を使うようにするということです。
他店と差別化できるようなポイントや、店の経営状態を改善できるような期待を金融機関に印象づけます。

飲食店であれば、食材の選び方、調理の仕方、提供の仕方と、アイデア次第で原価を抑えたり、逆にブランド価値を付加し提供価格を高く設定することもできます。

2.金融機関を納得させるストーリー作り

事業計画とストーリーは、一見関係なさそうですが、自分の持っているバックボーンであったり、周辺環境をリサーチできていること、実行すれば事業を拡大できる見込みにつながるから、そこに必要な融資をしてほしいということが、最初から最後まで、きれいにつながっているストーリーがあると、すっと理解できます。


どこか矛盾していると、融資の担当者の懸念材料となりかねないので、プランが流れるように論理立てて組み立ててあることが重要です。

ここでは、外食したくても、食べることができないということに対して、何かできないかということを考えながら例を挙げていきました。

・地産地消といいながら、実は全て他県へ出荷され、地元でその特産品を食べることができない。
・養鶏業をしている友人と地元ブランド地鶏を盛り上げていきたい。新鮮な地鶏が手に入るメリットを生かして丸ごと全て調理して提供する。
・食物アレルギーがあるから、友だちと外食したくても、行ける店がない。家族が大人になって食物アレルギーを発症し、その問題の深刻さを知り、アレルギー除去食について研究し、一緒に同じ物を食べることができる喜びの場を提供したい。

こういった、自分の経験や、周囲の声からの気づき、そこからどのように行動してきて、その結果、どのように自分の店で実現していきたいということが伝わるように意識してまとめていきます。

まとめ

飲食店の経営という観点から、事業計画書の項目1について、書き方のポイントを見てきました。
同じ内容を伝えるにしても、流れを意識して書くことでずいぶんと印象が変わってきます。


既に経営されている場合、自分の店の課題には、気づきにくい面もあると思います。
得手不得手もありますから、専門家の意見も聞きながら、俯瞰的にご自身のこれまで積み重ねてきたもの、周囲の環境、将来の展望を見てみましょう。

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