財務レバレッジ効果の上手な活用のポイントは?

会社の資金について「財務レバレッジ」という視点で考えたことありますか?
会社で事業をするにあたり、資金調達が当然必要となります。
その資金調達には、自己資本と他人資本の2つに分けられます。
財務レバレッジというのは、他人資本を利用する割合を示す指標となるものです。
ここでは、この財務レバレッジに注目するのは、どういうことなのか、見ていきます。

1.財務レバレッジとは?

そもそも、財務レバレッジは、「総資産に対する他人資本の利用度合いを示した指標」と定義されます。
「レバレッジ」というのは「テコの原理」のことです。
資産運用している方には、なじみのある用語ではないでしょうか。


テコを利用すると、小さな力で大きな力を出すことができますから、少ない資金で大きなお金を動かす場合にこの「レバレッジ」という用語が使われています。
レバレッジは「何倍」という表現をしますから、財務レバレッジでも同様に「何倍」という表現をします。
つまり、総資産が自己資本の何倍になるかということをこの指標で判断します。

2.財務レバレッジを算出してみよう!

財務レバレッジを具体的に計算してみましょう。
財務レバレッジは、総資産÷自己資本で算出します。
計算式自体はとてもシンプルで簡単です。
ここまでで、「自己資本」「他人資本」「総資産」と出てきましたが、会社の数字の何を示すのでしょうか。


間違った数字で計算しては意味がありませんので、ちょっと、用語の定義をおさらいしましょう。
自己資本とは、返済の義務のないお金で、資本金にあたります。
自ら貯金した資金や出資で集めたお金のことです。


それに対して、他人資本とは、金融機関から融資やローンで借入れしたお金のことです。
そのため、他人資本は返済義務が生じます。
総資産は、これら自己資本と他人資本を合計したものです。

例えば総資産が1億円、自己資本5,000万円の場合、1億円÷5,000万円=2(倍)となります。
つまり、自己資本と他人資本が同額の倍、財務レバレッジが2倍の状態です。
また、例えば、総資産が1億円、自己資本が2,000万円の場合は財務レバレッジが5倍となります。
逆に、無借金経営をしている場合、つまり総資産、自己資金がいずれも1億円の場合、財務レバレッジは1倍です。
このように、他人資本が大きくなるほど、この財務レバレッジは大きくなります。

3.自己資本と他人資本、リスクの特徴とは

無借金経営がいいという風潮が日本には根強くありますが、自己資本にもリスクがあります。
自己資本は、返済義務がありません。
ただ、自己資本は多くの場合、株主からの出資です。


株主は当然、出資の見返りとして会社の業績に応じて配当等を期待します。
これは会社の業績に依存していますから、株主からのプレッシャーもあり、ここにビジネスリスクを負担することになります。


他人資本の場合は、どうでしょうか。
こちらは、契約によって、その契約期間中の支払利息や元本の額は確定しています。
そのため、その他にビジネスリスクの負担が、かかることはありません。

ということは、自己資本は、配当を負担し、その上にビジネスリスクの負担分もあるので、必ずしも、会社の負担が低いと言い切れないということになります。
また、金融機関等からの借入で派生する利息の支払いは費用として計上されます。
そのため、支払う税金を抑えることができるので、節税効果があります。
自己資本の場合に発生する株主に対する配当金は、利益処分ですから、経費として経常することができないので、節税効果はなく、利益を圧迫します。

だからといって、借入を増やせばいいというわけでなく、判断を誤れば返済の負担が大きくなりすぎ、倒産リスクを高めることにもつながります。

4.財務レバレッジを高くするメリット

こうして見てみると無借金経営が理想というのではなく、借入を上手に利用することで、財務上のメリットがあります。
借入を行うというとは、つまり、財務レバレッジを高めることで、そのメリットには、主に次の3つが挙げられます。


①節税効果が得られる
自己資金の場合、業績に応じて発生する株主への配当は経費計上できませんが、他人資本である借入金により発生する支払利息は、経費計上ができます。
②リスク負担が低い
他人資本は、自己資本に比べて調達コストが低いです。
③投資効果が得られる
負債の利子率よりも事業利益率が高ければ、会社の利益は増加します。

それでは、この3つのメリットについて、見ていきます。
(1)節税効果が得られる
財務レバレッジが高くなるほど、借入金額がそれだけ多いことになります。
その場合、支払利息も当然、増えます。
支払利息は前述のとおり、費用となります。会社に費用が発生すると、その分だけ支払う税金が押さえられるので、節税効果があります。
財務レバレッジが低い場合と高い場合で、同額の営業利益が出ていたとしたら、税引前利益の額が、支払利息分だけ財務レバレッジが高い会社の方が低くなります。
税金は、この税引前利益に税率を乗じて課せられます。
そのため、借入があり、支払利息がある方が、節税効果があることになります。

(2)リスク負担が低い
自己資本の方が他人資本より、ビジネスリスクの分だけ、リスク負担つまり調達コストが高いとされています。
業績や企業価値が上下することで、配当率が変わりますし、新株発行や自己株式の処分に直接的な影響があります。
自己資本は返済の義務がありませんが、その分、株主に対する高い還元が求められます。

(3)投資効果が得られる
①利益の増加
会社が事業拡大のために借入をし、この借入金を事業に投下することで、支払利息を上回る利益を得ることができます。
他人資本の調達コストよりも、事業利益の方が高いとシミュレーションできているからこそ、他人資本を調達しているのですから、当然、会社に利益が残ります。

②自己資本利益率(ROE)の増加
総資産に対する利益率が同じである場合、他人資本が多いほど、つまり財務レバレッジが高いほど、自己資本利益率が上がります。
この自己資本利益率(ROE)は株主が注目する収益性を評価する指標となりますので、積極的に投資をすることでこのROEの値が上がり、株主に対する良いアピールになります。
とはいえ、他人資本は負債ですから、成長性に釣り合わない負債を重ねるのは経営を圧迫することになるので、慎重な経営判断と財務計画が必要となります。

5.財務レバレッジに目安はある?

財務レバレッジが高い方がメリットがありそうですが、目安はあるのでしょうか。
業種により、財務レバレッジの平均値は様々ですが、全産業合計での財務レバレッジの平均値があります。

経済産業省が、平成31年3月29日に発表した「平成30年中小企業実態基本調査速報(要旨)(平成29年度決算実績)」によると、
平成27年 2.58 / 平成28年 2.49 / 平成29年 2.47 です。

まとめ

財務レバレッジについて見てきました。
他人資本を上手に利用することで、資本の運用効率を高めることができることがご理解いただけたと思います。
負債が増え支払利息が発生することで、節税効果を生みますし、他人資本は自己資本よりも資本コストを抑えて資金調達できるという特徴があります。
財務レバレッジという視点で、自己資本と他人資本の比率のバランスをしっかりと見極めていきましょう。

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