起業時を狙う広告代理店には注意が必要とは?
起業したばかりのタイミングというのは、いろいろな業界のセールスのターゲットになりやすいです。
起業したばかりというのは、経験が浅く、知識も不足している部分があるため、悪質な業者に騙されてしまう経営者もいます。
ここでは、広告代理店を例に挙げて注意すべきポイントについて見ていきます。
目次
1.起業時が狙われるとは?
起業時というのは、経営者に経営者としての経験や知識が、起業から年数を重ねた経営者よりも不足しているケースが多いです。
ある程度ビジネスの経験があったとしても、初めて経営者として起業するとなると、経営者として初めて遭遇する場面というのもどうしてもあります。
そこで、あえて新規設立した事業所を狙って、不当な利益を搾取しようとする業者もいます。
提案内容がとても良いとしても、すぐに契約するのは、とても危険なことです。
その話が本当に良い話なのか、信用していいのか、信頼できる専門家に相談した上で契約をすることが重要となります。
あの手この手で、そういった時間を与えようとしないこともありますから、くれぐれも注意が必要です。
2.法人契約と個人契約の違い
事業者で契約をする場合、法人としての契約となりますから、これは一般消費者が個人で契約する場合と事情が違います。
ここで個人として消費者契約のつもりで契約してしまうことがトラブルに発展することに大きく関わっています。
個人で消費者契約をする場合は、特定商取引法や消費者契約法といった法律で保護されますが、事業者による法人契約の場合は、それは該当しません。
例えば個人の場合は、一定の条件下でクーリングオフによる返品と返金を求めることができますが、法人には適用されません。
そのため、契約時には本当に契約して大丈夫なのか慎重に検討する必要があります。
法人は消費者のように保護されず、すべて自己責任となるということを大前提として知っておかなければなりません。
3.悪質セールスの手口
それでは、ここからは、広告代理店を例に危険なケースを紹介していきます。
(1)契約金額の水増し請求
新聞など各種メディアを通じてCMを出す場合は、広告代理店を通じて行うのですが、広告代理店が得る手数料は媒体によってあらかじめ設定があります。
各媒体が広告代理店に広告費を請求する場合、その金額には広告代理店の手数料が含まれています。
しかし、悪質な広告代理店になると、この仕組みを説明せず広告主に手数料を水瑕疵して請求するケースがあります。
起業したてであれば、媒体に広告を出す経験もありませんから、水増し請求に気がつかないのです。
広告代理店の請求書ではなく、媒体が発行した請求書を見せてもらい、媒体に支払われる広告費と広告代理店が得る手数料の内訳を確認します。
(2)ホームページのリース契約
事業を行う場合、自社のホームページは、もはや持って当然というところがあります。
そのため、そのホームページをリース契約にて作成を依頼してしまうとトラブルに発展する可能があります。
リース契約というのは、途中で解約できませんし、決まった期間リース料を払い続けなければなりません。
ホームページといったコンテンツの場合、工場で生産され一定の品質が保証されるようなものと違い、その出来上がり品質というのは、まちまちで納得できずトラブルに発展することが多くあります。
品質に納得いかないからといって、リース契約をしてしまっていれば、解約することもできず、支払い続けることになってしまいます。
結局、他の業者に委託し二重の負担となってしまうということもあるのです。
リース契約の方が魅力的であるかのようなセールストークに騙されないようにする必要があります。
また、ホームページができあがっていないにもかかわらず、一括で先に代金を支払ってしまった場合も、返金してもらうこともできません。
契約内容を良く確認しましょう。
例えば、同じホームページのリース契約だとしても、ホームページのためのシステムやソフトウェアといった環境をリース契約し、そこに掲載するホームページの制作は請負契約というパターンもあります。
この場合でしたら、ホームページのデザインや内容に納得がいかない場合についてはリース契約になっていませんから、別の対応が可能となります。
広告代理店の営業の方に契約をお任せしてしまっては危険です。
また、ホームページの制作を広告代理店に依頼する場合、使用するドメインが自社のドメインになっていることを確認することも必要です。
全て丸投げしてしまうと、ドメインの所有権が広告代理店になっているというケースも多くなります。
ドメインは自社の貴重な資産ですから、依頼する際にはしっかり確認すべきポイントの一つとなります。
(3)効果ないSEO対策
ホームページを作ったら、集客するためにSEO対策でアクセス数を増やすということをすすめてくる広告代理店があります。
悪質な広告代理店の場合は、依頼主に知識がないのをよいことに不十分なサービスしか提供しない場合もあります。
SEO対策といっても、実際には小手先の対策で、本質的な対策ができていないケースもあります。
さらに悪質な場合は、検索サイトが禁止している方法でアクセス数を稼ぐ手法を用いて、結果的に検索サイトからペナルティや忠告を受ける場合すらあります。
アクセス数が増えればそれだけ集客につながり、収益が増えるとは限りません。
売上につながるようにトータルでポートする広告代理店であれば信頼できます。
いかにもアクセス数や検索サイトで上位表示されると売上が上がるかのように魅力的な提案をしてきますが、検索されたからといって来店につながるとは限らないということを冷静に見極めなければなりません。
こうしたウェブ上の集客ノウハウについては、詳しくない人も多く、こういった手法を説明されると信じてしまいそうになるかもしれません。
すぐうのみにするのではなく、専門家に相談すべきです。
まとめ
悪質なセールスにのせられて契約してしまうと、個人と違い法律で保護されません。
本当に信じて契約していいのかどうか、正しい情報をもとに決断することが経営者として必要となります。
専門家のアドバイスを参考にして、費用に見合った効果を得られる提案かどうかを見極めるようにしましょう。
相手もプロですから、人間の心理を研究し、何とか騙そうとしてきます。
悪質な業者に騙されて事業に失敗してしまう経営者もいますから、外部の専門家を味方につけておくことも経営上欠かせないことです。